不断水工事による水道管分岐の作製には大きなメリットがあります。断水不要というのが最大のメリットであることは言うまでもありませんが、その他にも一般的に断水工事と比べると工期が短くて済むという点も挙げられます。しかし、不断水工事は決して100%メリットばかりではありません。デメリットもありますので、必要に応じて臨機応変に対応する必要があるのです。
最も気になるのはやはり不断水工事の工法そのものに伴うものです。この工事では、既存の水道管にドリルで穴を開けてそこに新規の水道管をつなぐことになりますが、継ぎ目部分は単なるゴムパッキンによる締め付けであり、管どうしが溶接のように一体成型されているわけではありません。不断水工事では本管には手を付けることができませんからやむを得ないのですが、これはどうしても強度に不安が残るところです。地震などのときに、一体成型されている分岐管に比べれば強度の劣る継手部分が破断するおそれが大きいのではないかと考えられます。
とくに、既存の水道管そのものが古くて強度が落ちてきているようなケース、分岐水道管の径が太くそれだけ大きな穴を開けることになるために強度不足がより懸念されるケースもあり、このような場合にはやむを得ず断水工事とし、既存水道管を取り換えつつ分岐作製せざるを得ないこともあります。また、ゴムパッキンによる締め付けを確実に行うためには、継手部分の本管はまっすぐで余計な突起部位などがないことも工事の条件となります。